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便利なクラウド会計

 インターネットの普及により、近年医療業界の事務作業においてもITによる合理化が進んでおります。レセプトのオンライン請求も普及が進み、電子カルテもインターネット上で利用するクラウド型が複数のメーカーから提供されております。また、銀行取引もインターネットバンキングによりパソコンから振込や残高確認ができるなど、複数の分野で事務処理の時間が短縮されるというメリットがもたらされています。
 この流れは会計業界も同様で、すでにインターネットにより医療機関の会計帳簿の作成などをもっと便利に合理化できる「クラウド会計」というサービスが登場しています。
従来、会計帳簿を作成するには、パソコンに会計ソフトをインストールして窓口の日計表、預金通帳、請求書、領収証などをすべて人の手で入力することが必要でした。これらは非常に時間のかかる作業でしたが、クラウド会計によってこの入力作業を大幅に軽減することが可能となります。

 クラウド会計の最大の特徴は銀行やクレジットカード会社などの金融機関から取引情報をインターネット上で取り込み、会計取引を自動で入力する点にあります。これにより預金通帳やクレジット決済などの入力が不要となります。また、現金で支払った経費の領収証などをスマートフォンのカメラで撮影したり、スキャナーで読み込むことで自動で入力が行われるという機能も実用化されており、今まで時間をかけて人の手で行っていた入力作業が自動で行われ大幅な時間短縮となります。
クラウド会計は会計ソフトを利用するのではなく、インターネット上のサービスを利用する形となるため、今までは特定のパソコンでしか入力作業をできませんでしたが、インターネットさえつながれば場所や端末を選ばずに利用が可能となり、会計ソフトの提供が少なかったMacでも使えるという利点もあります。

 しかし、インターネット環境によっては反応が遅くなる、セキュリティ面で不安が残ること、といった改善点もまだありますが、これから普及してゆく可能性は大いにありそうです。クラウド会計は今後の会計入力作業の負担軽減の一つの選択肢になるのではないでしょうか。

平成28年3月20日 医療タイムス紙掲載