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マイナス金利の住宅ローン

 2016年1月29日に日本銀行がマイナス金利の導入を決定し、そのマイナス金利幅0.1%となりました。さて、このマイナス金利とはどのような状況のことを意味するのでしょうか?また、マイナス金利の導入により私たちの生活の中でも大きい借金である住宅ローン金利にはどのような影響がでているのかをご紹介致します。

◆マイナス金利とは?
 銀行は私たち一般消費者からお金を預って、そのお金を融資したり、投資したりして収益を上げています。ただし、貸出先が常に存在するわけではありませんので、一定の資金を日本銀行の当座預金に預けておくことになります。その場合、今まではある程度の利息を受け入れていましたが今回のマイナス金利によって、日本銀行に預け入れても1円も入ってこないどころか逆に損失が発生してしまうことになります。そのため、銀行は貸出先・融資先を探さなければ利益を保てない状態になります。その動きを銀行にとらせ、民間企業や一般消費者(個人)へ銀行からの融資という形でお金が回り、資金を得た企業や個人の新たな生産活動や消費が増えて経済全体を活性化させる、それがマイナス金利政策の一番の狙いと言われています。

◆住宅ローン金利への影響は?
 主要都市銀行の固定金利型住宅ローン平成28年2月と3月の金利を比較してみますと、10年固定金利は平均で0.16%ほど下がっており、全期間固定金利は0.195%ほど下がっています。約2年前の都市銀行の全期間固定金利と比較しますと約0.6%も下がっています。(金利は価格.comローン参照)

◆返済額はどのくらい違ってくるの?
 住宅ローン残高が2,500万円、金利2.05%(全期間固定)、返済年数25年、元利金等返済の場合で、金利が0.6%下がった1.45%になった場合、トータルの返済額の差は1,875,000円も出てきます。数年前に住宅ローンを組まれた方ですと、金利が今の相場よりも高い方もいらっしゃると思います。そんな方はすぐに借り換えようと思われるかもしれませんが、借り換えの場合には手続きに伴う諸費用が発生しますので、その費用分を加味しても金利差のメリットがあるかどうかの検討が必要となります。まずは今借りている住宅ローンの金利を相場まで引き下げることが可能かどうかをご相談頂ければと思います。

医療タイムス紙 平成28年4月10日 掲載