お知らせ

持分なしは注意必要~医療法人の交際費~

持分なし医療法人の場合、法人に利益が蓄積しすぎると、経費として落とせる交際費が少なくなるというリスクがあります。
平成30年現在の法人における交際費の取扱いは、原則として損金不算入(法人税法上は経費とならない)ですが、交際費のうち接待飲食費についてはその50%までを損金に算入できることとなっています。また、資本金・出資金が1億円以下の法人については、「交際費の800万円控除」ということで、年間800万円までの交際費は損金算入できるという措置を選択することができます。
実務上は「出資金1億円以下」ということで、多くの医療法人が年間800万円までの交際費を法人税法上の経費として落とせています。
ただし、基金拠出型医療法人など、持分「なし」の医療法人の場合は注意が必要です。
持分なし医療法人には出資金という概念がありません。このため交際費の損金不算入の計算に関しては、法人税法で「出資の金額に準ずる額」というものが定められており、この金額を出資金の額とみなして判定することになります。

【出資の金額に準ずる額】
(期末総資産簿価ー期末総負債簿価ー当期利益(または+当期損失))×60%

つまり、持分なし医療法人の場合は、当初は数百万円の基金で法人を設立したとしても、その後毎年の利益が積み重なり、期末純資産額(期末総資産額-期末総負債額)が1億円÷60%=1.666...億円を超えると、交際費の800万円控除が使えなくなり、法人税の負担が増えてしまいます。毎期数千万円という利益を計上しているような持分なし医療法人は、特に注意が必要です。役員報酬や役員退職金の適正な支給により、利益の蓄積を抑えることができないか検討してみるべきでしょう。

平成29年5月20日 医療タイムス紙掲載