お知らせ

就業規則とルールブック

 就業規則はクリニックの勤務時間や給与などの条件と職場の規律を定めた文書です。
職員に説明することにより、就業規則で定められている内容が個々の職員との労働契約の内容になります。
クリニックによっては就業規則ではなく職場のルールをまとめたルールブックを作成される場合もありますが、周知されていれば同じ効力となります。
 就業規則は職員9人以下の場合には作成義務がありません。そのため、作成されていないクリニックも多いかと思います。
しかし作成していないと、懲戒処分ができない、助成金の対象にならないなどのデメリットもあります。
また作成することでさまざまなトラブルを回避するメリットもあります。
 今回、クリニックで就業規則やルールブックを作成する際に決めておくことをお勧めしている内容を一部ご説明いたします。
  ◎欠勤控除
 給与計算において欠勤した場合、家族手当、資格手当などの諸手当をどのように計算すれば良いのかのご相談をいただきます。
労基法には諸手当の欠勤控除等に関する具体的な定めはないことから、就業規則等の定めがあり、実際にも規定に基づいた取り扱いがされている場合には、家族手当であっても欠勤の割合に応じた控除が可能になります。
 しかし勤務時間の長短にかかわらず、生活補助費の性質を有することが明らかな手当については、欠勤控除することはできないと考える見解があるため、手当ごとに検討が必要です。
 上記はあくまでも一例になります。他にも試用期間の延長、年次有給休暇の取り扱いや賞与についてなど、さまざまなトラブルを回避するために、就業規則やルールブックを作成することをお勧めいたします。

     令和5年3月10日 医療タイムス紙掲載