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歯科医院の報酬改定~新設「か強診」検討を

 平成28年診療報酬の改定で新たに創設されました、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(以下「か強診」)ですが、厚生局へ届け出ている歯科診療所は長野県内で約190件、県内の歯科診療所全体の約18.6%(平成28年10月時点)です。歯科外来診療環境体制加算(以下「外来環」)の届出をしている歯科診療所の約40.9%と比べますと、まだ届出をしている医院は少ないようです。ただ、この外来環の施設基準を満たしており、歯科訪問診療料算定の実績が1回でもある歯科医院でしたら、か強診の要件を満たせる可能性が高いため、今回はその要件と内容についてご紹介させて頂きます。

 ◆か強診の施設基準は?
 ①歯科診療所であること。
 ②歯科医師が複数名配置されていること、あるいは、歯科衛生士が1名以上配置されていること。
 ③歯科外来診療における医療安全対策に係る研修、高齢者の口腔機能管理に係る研修を受けた常勤の歯科医師が1名以上配置されていること。
 ④歯科訪問診療料、歯科疾患管理料、歯周病安定期治療及びクラウン・ブリッジ維持管理料を算定していること。
 ⑤緊急時の対応を行うにつき必要な体制が整備されていること。
 ⑥当該地域において、在宅療養を担う保険医、介護・福祉開係者等との連携体制が整備されていること。
 ⑦医療安全対策につき十分な体制が整備されていること。
 ⑧敷地内が禁煙であること。

 ◆加算される点数の内容は?
 ①エナメル質初期う蝕管理加算
 ②歯周病安定期治療Ⅱ
 ③在宅患者ロ腔リハビリテーション指導管理料
の加算の3つがありますが、その中でも影響の大きいであろう②歯周病安定期治療Ⅱの加算について簡単にご説明いたします。改正前は歯周外科手術等を行わない場合、3カ月に1回しか保険算定することができませんでした。しかし新設された歯周病安定期治療Ⅱは月に1回の算定が可能です。さらに診療点数も上がりますので、対象の患者数が多い歯科医院ですと、かなりの増収が期待できます。患者一部負担金も増えることになりますが、事前に説明を行うことでトラブルは防げるかと思います。

 冒頭でも申し上げましたが、外来環と在宅療養支援歯科診療所の施設基準要件を満たしている歯科診療所であれば、か強診の要件を満たせる可能性が非常に高いですので、ご検討してみて頂ければと思います。

平成28年12月1日  医療タイムス紙掲載