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歯科医院の予約管理~システム導入の利点~

 最近の歯科医院では予約診療が基本となっています。そのため予約管理が重要となり、どの歯科医院でもアポイント帳(手書き用の専用紙)または、予約システムを使っています。受付周りにはレセコン用のPCがあるのが当たり前の現在でも、アナログなアポ帳を使っている医院が圧倒的に多いようにお見受けします。今回は、歯科医院の収入を考える上で大切な患者数維持のポイントと、予約システム導入のメリットについて考えていきます。

 収入額は、診療単価と患者数の2つの要素に分解できます。診療報酬を漏れなく算定して、診療単価を上げることももちろん大切ですが、患者数の増減にも気を配らなければなりません。人口減少時代の現在、新患増加だけではなく、今来て下さっている患者さんを減らさない努力、一日の予約に空きがでないように工夫することが重要になります。ポイントは3つ、①治療が完了した患者さんにも口腔内維持のために定期的に通院していただくこと②治療途中で来なくなってしまう中断の方を減らすこと③予約のムラや、無断キャンセルによって、先生や衛生士の手が空いてしまわないようにすること、この3点が大切です。

  システム導入の最大のメリットは、短時間で、人手を割かずに前述3点への対応ができるようになることです。例えば、定期的な口腔内チェックを促すためのリコールハガキを郵送する方法を、自動メール送信に切り替える。無断キャンセル防止のために治療日の数日前に予約日時の確認のメールを再度入れる。次回予約が決まっていない患者さんや、治療途中で通院が途絶えている患者さんを自動的にリストアップし、原因分析や通院を促す等の対応ができる。歯科医師の手がかかる治療が同時間帯に重ねて入らないようにシステム上で設定することで、受付経験が浅いスタッフでも、ムラ無く予約が入れられるようになるといった具合に、システムの強みが発揮される場面は多々あります。

 現時点で優秀な受付スタッフさんによってうまく回っている受付回りの仕組みがあるかもしれませんが、デジタル化によって、業務時間の短縮が図れれば、患者さんともっとコミュニケーションを取る等、満足度を高めるための時間を増やすことができるかもしれません。自院の取り組みの見直しと合わせて、一度ご検討してみてはいかがでしょうか。

平成29年1月10日  医療タイムス紙掲載