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衛星電話のこれから

スマートフォンをはじめとする携帯電話の普及が進み、そのエリアの人口カバー率は99・9%以上になります。しかし、山の峠道ではつながりにくいなど、そのほぼ100%という数字と、実際に使えるエリアに差を感じたことはないでしょうか。

それは日本が森林を除いた可住地(人の住める土地)の割合が30%程度と世界的にみてもかなり低く、人の住んでいない地域を含めた面積カバー率でエリアを捉えなおすと6割程度にとどまるからに他なりません。

その解決策の一つとして、地上の設備に依存することなく天空の人工衛星を使って、地球上のどこでも音声通話のできる衛星電話のサービスが、20年ほど前から提供されてきました。

しかし特殊な端末が必要で、利用料も高額であることから、災害などの非常時や山間部などインフラの整っていない場所での活用に限定され、誰でも使えるサービスとは言えませんでした。

令和6年10月に、イーロン・マスク氏が率いるスペースXが運用する人工衛星のスターリンクと、既存のスマートフォンで直接通信をする実証実験が行われ、無事に通信できることが確認されました。

能登半島地震の際にもDMATなど機動力のある通信インフラが活躍したのは記憶に新しいところですが、その組み合わせが普段使っているスマートフォンで実現することで、災害時の迅速な医療活動を支えるだけでなく、街中は当然のことながら、山頂であれ海上であれ「どこでもつながる電話」として普及が進んでいくことが期待されます。