お知らせ

労基署による事業所調査~体制見直す労務監査~

 最近、労働基準監督署(以下、労基署)の事業所調査や臨検(立入調査)が増えており、医療機関においても夜間勤務がある場合などは対象となることも考えられます。
 このような取り締まり強化の背景は次の2つの要因があるようです。
・「労働者の健康保持のための長時間労働・サービス残業の取り締まり」
 職員の健康配慮義務を理由に損害賠償支払いを命じる判決が続発しています。労働法令遵守を司る労働局及び労基署の存在意義が問われだしました。
 最近の事例では、新入社員が慢性的な長時間労働に従事していたところ、うつ病に罹患し自殺するに至り、業務と自殺との間に因果関係が認められ、会社が約1億6800万円を支払う内 容で和解が成立するなど深刻な内容も見受けられます。
・「労働者の権利意識の高まりによる申告や内部告発の増加」
 メディア報道やインターネットでの情報収集が容易になったことにより、会社を辞めた職員が過去の残業代を労基署に申告するケース、または現職員が労基署に内部告発するケースが増加しています。

 実際に事業所調査・臨検が行われた場合は調査事項として、①組織図 ②賃金台帳 ③時間外・休日労働及び協定書(36協定)④タイムカード ⑤就業規則(賃金規程) ⑥健康診断 の実施結果等が対象となります。特に時間外労働・休日労働の有無、残業代支給の有無、定期健康診断を実施しているかどうかを調査されます。残業代未払等の労働基準法違反が確認された場合、指定期日までに改善し、報告書を提出しなければなりません。
 事業所調査が行われた結果、未払残業の支払が指摘された場合は想定外の支出が発生することがあります。また、違反が悪質と判断された場合、外部に公表され、今まで通りの採用活動が出来なくなるなどの影響が考えられます。
 事業所調査が行われる前に、一度事業所体制を見直す労務監査をお勧めします。労務管理体制にどんな問題があるか知りたい方、良い人材の採用、定着率の向上に向けて職場のルールを見直したい方は社会保険労務士までご相談ください。

平成28年8月1日  医療タイムス掲載