医療のカスハラ対策
カスタマーハラスメント(通称カスハラ)、最近ではニュースでも耳にする機会が増えました。
一般企業と違い、医療や介護の現場ではカスハラ対策が難しいと言われています。それは、相手が疾患や障害を持つ患者さんやそのご家族であるということ。
そのため医療機関ではペイシェント(患者)ハラスメントと呼ぶこともあります。
そういった相手に対してサービスを提供するという特殊性が、対策を難しくしていると言わざるを得ません。
たとえ理不尽な言動があっても「患者さんだから仕方ない」と捉え、カスハラを受けている認識が持てない場合や、我慢してしまうケースもあろうかと思います。
また、医師法19条1項で「診療義務(応召義務)」が課せられ、正当な事由がある場合を除き診療拒否をしてはならないとされていることも、大きく影響していると考えられます。
近年の物価高の影響で手取りも年金も増えない中、医療費の負担が増えているため、求めるものも高くなっているという患者側の心情も念頭に置く必要があります。
こうした中、日本医師会ではカスハラ対策基本方針を策定し、日医ペイハラ・ネット相談窓口を2025年1月より開設し、利用を促すなどの動きが見られます。
今後、スタッフをカスハラから守るための対策は、ますます求められてきます。
まずは、どういった行為がカスハラに該当するのか、それに自院としてどう対応したら良いのかを、就業規則や職員ルールに明記し、スタッフに丁寧に周知することが対策の第一歩になります。
直接的な暴力や暴言はもちろん、ネット上への匿名の書き込み、執拗な言動(長時間の電話や窓口で長時間の雑談を強いる等)、無理な要求(特別扱いしてほしい、謝罪文を出せ、自宅に来て対応せよ等)、性的言動(過剰な密着、個人情報をしつこく聞く等)も対象になり得ます。
具体例を示し、どういった対応をするのかをルール化することで、安心して働ける職場環境を整えましょう。規定の整備を含め、カスハラ対策は社労士などの専門家に相談されることをお薦めいたします。
